X線撮影の目的

1.X線撮影の目的

 整形外科において、X線撮影を行う目的は、患者さんの痛みの原因を調べるためです。そのX線写真によって、骨の異常を調べます。例えば、「骨折はしていないか?」「骨は変形をしていないか?」などを診断します。
以下に、当院でよく見られる症例「骨折」「骨・関節の変形」「脱臼」について、解説します。

2.骨折

 骨に強い力が加わったことによる外傷での骨折が、最も多いとされています。外傷の原因として、「転んでしまった(転倒)、ぶつけてしまった」「スポーツによるけが・外傷」「交通事故」等があります。特に、冬には雪道や凍った玄関先で転んで、骨折する人が多く見られます。

転倒による大腿骨頚部骨折(円の部分)

雪道での転倒で手首を骨折してしまった
(矢印)

また、中・高校生の部活動での「スポーツのしすぎによる疲労骨折」も見られることもあります。

足の痛みを訴えて受診した陸上長距離選手

最初のX線写真(左)ではっきりしないが、
1ヶ月後(右)のX線写真では仮骨形成をしている(矢印)

 「ねんざ」と軽く考えていたのが、骨折をしていたというケースもあります。腫れをともなって痛みがある場合などは、早めに受診することをおすすめします。

3.変形

 骨と骨の間は「関節」により、いろいろな動きをすることができます。人間には、約265個の関節を有しており、いろいろな動きをします。しかし、長年使うことにより、軟骨はすり減り、関節が狭くなったり、骨が変形してきます。

膝関節

20代男性

60代男性

左が写真は、関節の間が広く、骨に変形はみられません。
一方の右の写真では、骨が変形をしており、
関節の間が狭くなり、大腿骨と下腿骨がぶつかっているのが分かります。

4.脱臼

 関節に強い力が加わることで、骨と骨の間がずれて、はずれてしまうことがあります。これらの脱臼では、強い痛みを伴うことが多いので、ほとんどの患者さんが早期に来院されます。しかし、一部には痛みを我慢して、関節がはずれたままの患者さんも見受けられます。脱臼を放っておくと、治りにくくなりますので、早めの受診をおすすめします。

転倒により肩を脱臼(後に整復)

5.その他

 正常では見られないものを写し出すことがあります。それにより、痛みを伴う場合と、伴わない場合もあります。

肩の痛みを訴え受診

転倒により肩を脱臼(後に整復)

また、骨の他にガラスや金属片などが写し出されることもあります。

足先の痛みを訴え受診

偶然、足の外側に金属片を見つける(右は拡大)

まれに、骨に腫瘍が見つかる場合もあります。

6.まとめ

これらのように、X線写真からは、いろいろな事を診断することができます。
但し、これらも解剖を熟知した、私たち“診療放射線技師”が撮影を行うことで、より情報の多いX線写真を、先生たちに提出することができます。
患者の皆さんには、撮影に際して、ご協力をして頂くことがあります。特に、骨折などの痛みを伴う場合は、気をつけて撮影を行いますので、よろしくお願いします。